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【中小企業の内部留保】どれだけあれば「安全」なのか?

(注)このブログでの「管理会計」の定義

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堀井さんは「内部留保を貯めよう!」というけれど
どれくらい貯めればいいの?

内部留保の目安を教えてほしい!

はい、ボクはしつこいくらい「内部留保を貯めよう!」と関わるすべての経営者の耳元で囁いています(笑)。「どれくらい?」と言われると「多ければ多いほどよい!」です。「お金は邪魔にならない!」ですよね?

とはいえ・・・ちょっと長くなりますが、ひとつの目安を紹介するので、あなたの「目標」を検討してみてください。

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まずは内部留保の基本

本題に入る前に、まず「内部留保とは何か?」について整理しておきます。

「会計学的」にはメンドクサイ定義がありますが、このブログではシンプルに「資産と負債の差額」を「内部留保」と言ってます。要は「自己資本のこと」です。

基本は、このイメージです。

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この図にあるように「帳簿上の内部留保=貸借対照表の自己資本」には「換金できない資産」も含まれているので「実質的な内部留保」の計算が必要です。

そのためには、次のような項目を加算減算しなければなりません。

  • 資産の評価損益=帳簿上の金額と換金価値が違う場合(土地・有価証券など)
  • 簿外資産=帳簿に載ってない換金価値(売れる特許権や商標権等)
  • 簿外負債=帳簿に載っていない負債(従業員の退職金、リース残債など)

要は、「会社をたたんで清算した時に、最後に手元に残るキャッシュ」ということになります。

こうして見ると、貸借対照表に載っている「純資産(帳簿価格)」なんて「まぼろし」でしょ(笑)。

貴方の会社の「実質的内部留保」を計算してみよう

さて、やっと本題。

まずは、あなたの会社の「実質的な内部留保」が現在いくらか?を知る必要があります。

直近の貸借対照表(決算書か試算表)を見ながら計算してみてください。

それで「十分だ!」なのか?「ぜんぜん足りない!」なのか?です。

どうでしたか?

まずは固定費の1年分を貯めて「つぶれない会社」にしよう

内部留保の「第一関門」は「つぶれない会社」です。

その目安としてボクが提案しているのは「固定費の1年分」です。

固定費の1年分のキャッシュがあれば万が一「売上ゼロ」が1年続いてもつぶれません。もちろん、そんな非常事態なので銀行には1年間返済を待ってもらえる、という前提です。

(直近の月間固定費)×(12カ月)=(必要な内部留保)

です。あなたを含めて、全社員に引き続き1年間給与を支払っても持ちこたえられます。

退職金は必要ですか?

売上ゼロが1年続いてもつぶれないために「固定費の1年分」を貯めました。これは、万が一のときの「非常食」のようなものですから、手を付けてはなりません。

次に考えるのは、あなたの「役員退職金」です。

もし、引退時にまとまった退職金が必要であれば、さらに「上乗せ」しましょう。

「無い袖は振れません」、内部留保しておきましょう。

ボクが若手経営者に提案しているひとつの「たたきだい」は・・・

(年間生活費)×(引退後の人生の期間)=(必要退職金)

です。

仮に「毎年、生活費として300万円必要」「20年分必要」であれば「手取りで6000万円が必要」という具合です。

「固定費の1年分」に、さらに「退職金必要額」を上乗せしたものが「目安」になります。

さて、あなたは退職金が必要ですか?

 

以上、内部留保の目標額のひとつの「めやす」として、固定費と退職金の視点を紹介しました。

これでなければならない、ということではありませんが、考えるきっかけとしてみてください。

marcas.hatenablog.jp

 

まとめ
  • 内部留保は「実質的」計算をする=換金価値の計算
  • ひとつめの目安は「固定費の1年分」で「つぶれない会社」にする
  • さらに必要ならば「役員退職金必要額」を上乗せする